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平成10年度版の訂正情報


平成10年度版参考答案集(改訂版を含む)におきまして、
民法第2部本年度追試験
の答案が、「過年度追試験」と同じ答案になってしまっておりますが、試験問題は異なっております
これは、弊社の編集上のミスでございます。お詫びして、以下のように差替え答案を掲載させていただきます。ご迷惑お掛けいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。
 

民法第2部(本年度追試験) 差し替え答案

 
★PDF版はこちら→ h10min2ht.pdf

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【答案構成】


第1問
1 896条但書の一身専属権に慰謝料請求権は
  該当しないか
2 旧判例……請求の意思表示以後は相続を肯定
3 判例……相続肯定説
4 私見……相続否定説

第2問
一 契約責任説の意義
 1 契約責任説の内容
    ……瑕疵修補請求権・代物請求権
二 契約責任説の検討
 2 法定責任説との比較とそれへの批判
 3 契約責任説への批判と反論


【答案】

第1問
一1 被相続人が死亡した場合、その財産は相続人に包括承継されることになっている(896条)。しかし、一身専属権は除外されるものとしている(896条但書)。
 ところで、損害賠償請求権については相続を肯定されているが、慰謝料請求権は、被相続人の精神的損害であることから、一身専属権に該当し、相続の対象とはならないのではないか。明文がないことから問題となる。
2 この点、かつて判例は、慰謝料請求権は一身専属権であるとして相続の対象とはならないが、本人が請求の意思表示を行えば通常の金銭債権として相続されるとした。例えば、判例の中には、「残念、残念」と言い残した場合には損害賠償の意思表示があったものとして、相続を認めたものもある。
 しかし、これでは請求の意思表示の有無によって結論が異なることになり、公平を欠く結果になってしまい、妥当ではない。
3 そして、相続を否定した場合、生存中に慰謝料が支払われた場合に比較して、不均衡が発生するし、また、慰謝料請求権は単純な金銭債権にすぎない。
 そこで、判例は慰謝料請求権の相続を肯定している。
4 しかし、やはり慰謝料は一身専属権であるし、711条は固有の慰謝料請求権を認めているが、それは相続を認めないことを前提としていると思われる。そして、即死の場合には慰謝料自体を観念できない。
 また、肯定説が指摘する生前に支払われた場合との不均衡であるが、金額については裁判官の裁量で決められるため、実質的には違いが生じにくいし、現在は定額化の傾向にあり、その指摘は妥当ではない。
 そこで、慰謝料請求権については、相続は認められないものと解する。

第2問
一1 売買の目的物に瑕疵があった場合、法は売買の効力として瑕疵担保責任を認めている(570条)。瑕疵担保責任について566条を準用し、その内容は損害賠償と解除とされ、無過失責任を売主に課している。
2 売買の場合に債務不履行責任とは別になぜ瑕疵担保責任を設けたか。
 瑕疵担保責任について契約責任説(債務不履行責任説)は、売買についての特則であるとする見解である。つまり、売買について通常の債務不履行より買主の保護を厚くし、特定物・不特定物を問わず売買目的物に隠れた瑕疵があった場合に適用される債務不履行責任を解するのである。
 契約責任説は、当事者の合理的意思として特定物であっても代替のできるもの、修理のできるものについてはその引渡にとどまらず、修理を行う債務を債務者が負担していることを期待していることに基づくものである。
3 債務不履行責任の場合、認められるには瑕疵の存在について債務者である売主の帰責事由がその効果は解除と損害賠償に限られるはずである。しかし、契約責任説で、買主には完全履行請求権があり、解除と損害賠償請求権のみならず、瑕疵修補請求権と代物請求権まで認める。そして、1年間は売主の無過失であっても以上の責任を追及でき、損害賠償の範囲も履行利益まで問いうるものとしたのである。
二1 それでは、契約責任説は妥当か。以下、検討する。
 契約責任説に対して判例が採用している法定責任説では、特定物については483条を根拠に現状のまま買主に引き渡せば、債務の本旨に従った履行として足りるとする。
 その場合、特定物の瑕疵は原始的一部不能であるが、それでは売買契約における有償性に鑑みて、買主にとっては対価的均衡を欠くことから、法律が特別に認めた法定責任が瑕疵担保責任であるとしている。
 そのため、瑕疵担保責任は不特定物について適用はなく、債務不履行責任によって催告または解除を行うことになる(412・415・541条)。判例は、特定物の場合との均衡を保つため、履行として認容して受領した後は、給付の目的物は瑕疵がある物に特定し、瑕疵担保責任のみを問えるとする。
2 しかし特定物と不特定物を比較して、特定物というだけで現状のまま引き渡せば足りるというのは、不特定物の場合に債務不履行責任が成立するのに比較して均衡を欠くと思われる。
 それに、単に特定物というだけで通常の買主が抱いている目的物の属性や機能に対する期待を無視してよいとは思われない。
 そして、判例のように解した場合、不特定物の売買において、わざわざ債務不履行責任より劣る瑕疵担保責任しか問えないのを承知した上で履行として認容するというのは、通常の買主の意思としてはもはや責任を問わないというものであろうし、瑕疵担保責任が機能する場合がほとんどなくなってしまう。
 そこで、契約責任説が妥当であると解する。
3 もっとも契約責任説に対しても、債務不履行の特則と解した場合無過失責任が課され、引渡債務と比較して品質の場合の不履行だけ特別扱いするのは妥当ではないとする批判がある。
 この批判は、瑕疵担保責任を危険負担と同様に瑕疵によって生じた対価的不均衡を是正する制度であると解する。
 しかし、引渡債務であってもその不履行は原則として債務不履行が成立し、不可抗力以外は免責されないようにその成立範囲は広く、品質について無過失責任を認めても均衡を欠くとはいえない。
 そこで、このような批判はあたらない。
                               以上

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